がん患者の不満は医療行政を変えないと解消しない 「何ががん患者中心の医療なのか」
私の長い外国生活の経験から、日本ではがん患者のみならず一般的に日本人は自立心が弱く、誰かに頼りすぎる傾向が見られるように思います。自己責任感も弱く、いつも誰かのせいにしたがる人が多いようです。
日本は「行政指導型」といわれ「国民主導型」でないといわれるゆえんです。
がんになった時も、医師に頼りすぎ、結果や自己中心的な考えだけで医師を批判し、不平を言っているようにも感じます。
患者は、もっと普段から自立心を強く持ち、自分の病気に対してもしっかりとした考え方を持っていなければならないのではないかと考えています。
私は、このような考え方を持っていますので、さまざまな点で行政に依存しすぎる体質が嫌いです。ですから、がん医療に対しても国や県に対して多くのものを望んでおりません。
しかし、がん患者が持っている不安や不満の多くは、医師がどんなにがんばってもその望みをかなえられないものが多いものです。患者は不安や不満の矛先を医師に向けてしまいがちですが、それは見当違いなのです。
がん患者の不安や不満の多くは、「がん医療行政」を変えなければ解消しません。小泉内閣によって「医療費削減」の旗印の下で多くの医療制度改革が行われました。医療費34兆円などと言いますが、国が負担しているのは8兆円ほどに過ぎません。
国は多くの医療制度改革をした上に、それらを地方行政に放り出してしまいました。国の「がん対策基本法」も、都道府県の「がん対策推進計画」に責任転嫁したような感じすらいたします。
こうして国民は、日本は「医療費削減」「パブリックバランス」などという数字を操る役人たちによって、本当に必要な医療をも受けられない世の中に変えられつつあります。
「がん患者中心の医療」という言葉が先行していますが、本当の意味のがん患者中心の医療とは一体どういうものなのでしょうか。みなさん一度ゆっくり考えてみませんか。自己中心という意味であってはいけないのです。
しかし、がん患者が抱える沢山の不安や不満を一つずつ考えていくと、がん医療行政を変えなければならないことに気がつきます。自己中心的な発想ではなく、行政に何を求め、何を変えて欲しいのか今一度深く考えてみようではありませんか。
